• 2 発達障害・精神疾患・ケア 29冊

    ※選書リストのすぐ下に詳しい情報と「引用」があります。

    👇

    1『一緒にいてもひとり』カトリン・ベントリー=著

    2『元刑事が見た発達障害』榎本澄雄=著

    3『自傷・他害・パニックは防げますか?』廣木道心+栗本啓司+榎本澄雄=著

    4『発達障害・脱支援道』廣木道心=著

    5『芋づる式に治そう!』栗本啓司+浅見淳子=著

    6『自閉っ子の心身をラクにしよう!』栗本啓司=著

    7『人間脳の根っこを育てる』栗本啓司=著

    8『感覚過敏は治りますか?』栗本啓司=著

    9『脳みそラクラクセラピー』愛甲修子=著

    10『愛着障害は治りますか? 』愛甲修子=著

    11『断薬の決意』藤家寛子=著

    12『神田橋條治が教える 心身養生のための経絡・ツボ療法』神田橋條治=著

    13『心身養生のコツ』神田橋條治=著

    14『技を育む』神田橋條治=著

    15『治療のための精神分析ノート』神田橋條治=著

    16『ともにある〈Ⅱ〉』神田橋條治=著

    17『発達障害をめぐって』神田橋條治=著

    18『ケーキの切れない非行少年たち』宮口幸治=著

    19『発達障害と少年犯罪』田淵俊彦+NNNドキュメント取材班=著

    20『アスペルガー症候群の難題』井出草平=著

    21『発達障害』岩波明=著

    22『愛着障害』岡田尊司=著

    23『死に至る病』岡田尊司=著(光文社)

    24『サイコパス』中野信子=著

    25『ギフテッド 天才の育て方』杉山登志郎+岡南+小倉正義=著

    26『薬物依存症 』松本俊彦=著

    27『「うつ」は炎症で起きる』エドワード・ブルモア=著

    28『問題解決のための瞑想法』天外伺朗=著

    29『ザ・ワーク』バイロン・ケイティ+スティーヴン・ミッチェル=著

    ※詳しい情報と「引用」は、今すぐこちらから。

    👇

    1『一緒にいてもひとり』

    カトリン・ベントリー=著

    (東京書籍)

    アスペルガーの結婚がうまくいくために

     

    「エネルギーバトル」

     

    「残念ながら誰もが自分に最適の方法でエネルギーを手に入れようと戦っています。怒り、よそよそしさ、質問、自己憐憫という方法がありますが、相手のエネルギーを奪ってしまえば、相手は仕返しとして私たちをエネルギーバトルに引き込みます。このバトルが世界中で起こっているほとんどすべての言い争いの本質です。ASであるパートナーはエネルギーを短時間に失ってしまい、私たちもいつも消耗しているので、アスペルガーの結婚ではこのバトルが絶えません」

     

    アスペルガー症候群の夫、2人の子どもと暮らすカトリン・ベントリーさんが「結婚がうまくいっていないすべての人」のために書いた本。

    「サボテンとバラ」の詩に象徴されるとおり、パートナーシップ、夫婦、家族の新しい視点を与えてくれます。

    『2020年を振り返り家族やパートナーの関係性を振り返りたい時にお薦め』の書籍です。

     

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    2『元刑事が見た発達障害』

    榎本澄雄=著

    (花風社)

    真剣に共存を考える

     

    「警察は、人々の自由な活動を守っている。人々が自由な活動をして社会を潤していけるように」

     

    「おまわりさんは誰かの"生命、身体、財産"が脅かされていると動く」

     

    「"犯罪だと知らなかった"は通用しない。知らなくても罰せられることがある。だからこそ"生命、身体、財産"と名誉を毀損しないという大原則を覚えておこう」

     

    「名誉・信用は財産である」

     

    「ダメな自分を愛せるか」

    「ダメな自分の発見」

     

    「子どもの頃を振り返ると、私は小学生の頃から『東洋体育の本』という本を熟読して、気功や経絡、漢方、ヨガといった東洋体育・医学・思想にハマって、その生き方を実践していました」

     

    「そして、高校三年生のときに、早稲田大学に人間科学部という学部があり、そこでソニーの創業者、井深大さんの寄附講座"東洋医学の人間科学"が開講されていることを知りました」

     

    「小学生のときには東洋体育、高校生のときには古流武術に傾倒していた私は、迷わずスポーツ科学科を専攻して、身体的なアプローチから"人間"を学ぶこととなったのです」

     

    「学生時代には、日本にはない、より東洋的なものへの憧れから中国に一年留学して、運命的にダンスと出会い、研究者を目指して進学した大学院をドロップアウトしました。ダンサーとして表現者を目指すものの、生活苦から、一転、警察官、刑事となり、泥臭い人間模様を追いかけるようになります」

     

    「そして警察を辞めていろいろやってみましたがダメで、なんだ自分はダメなんだ、ということを見つめて、認めて、そこから始めようと思いました。いわば、あきらめたのです。でもあきらめるとは、明らかに見る、明らかにするというのが語源らしいです。そこで自分のできることできないことを俯瞰して、とりあえずは好きなことから始めようと思いました」

     

    「私がダンスをやってもお金にはなりませんでした。でも体温は上がるし身体は弛むし、フロー(没頭)状態に入れるので、束の間、生きる希望は湧いてきます。ダメだけど生きてるし。ダメな自分を見つめて認めて開き直るところから始めようと思ったのです。いわば、好きなことから再起動です」

     

    「飲食店で働いたり、深夜のコンビニでも働いたり、色々やってみて、それなりにうまくいっていたのですが、なぜか予備校の講師、特別支援教育の支援員、児童デイの指導員など、教育の世界だけは縁が続きました」

     

    「今は"身の程を知って、でも絶望はしない"という心境です。これからも、好きなこと、夢中になれることをやっていこうと思います。仕事になるかわからないけど、とにかく犯罪ではないことを。そうすれば、仕事になることもあるでしょう」

     

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  • 2 発達障害・精神疾患・ケア 29冊

    3『自傷・他害・パニックは防げますか?』

    廣木道心+栗本啓司+榎本澄雄=著

    (花風社)

    二人称のアプローチで解決しよう!

     

    「そうなんです。相手を型に嵌めてるんですよ。武術でいう型とは戦略のことですから。もちろん、護道では相手を倒す目的の戦略ではなく、自他護身のための先制防御ですけど」

     

    「最も大切な環境は人」

     

    大阪の武道家で介護福祉士の廣木道心先生が書いた本。

    自閉症の息子さんの育児を通じて、独自の「護道介助法」を開発した経緯を非言語、身体感覚から語っています。

    『自分自身の感性を研ぎ澄ませたい』人にお薦めの書籍です。

     

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    4『発達障害・脱支援道』

    廣木道心=著

    (花風社)

    笑顔と自由に満ちた未来のためにできること

     

    「我が子が紙に描いたたった一本の線。同じ年頃の子どもなら誰でもやっているようなことですが、そのときの感動は今でも覚えています。夏の暑い日でセミの鳴き声が響き渡っており、そのセミの声に紛れるように息子を抱きしめて泣きました」

     

    「精神科は薬局のような対応しかしない」

     

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  • 2 発達障害・精神疾患・ケア 29冊

    5『芋づる式に治そう!』

    栗本啓司+浅見淳子=著

    (花風社)

    発達凸凹の人が今日からできること

     

    「でもね、きちんと疲れられない人はやっぱり眠るのが難しいんですよ。きちんと眠るにはきちんと疲れないといけないんです。眠れない原因の一つは、心地よい疲れが感じられないことです」

     

    「夏は"排泄・循環と水収支をよくするチャンス"の季節です。自閉圏の人は、"水収支"がおかしいことが多いんです」

     

    小田原在住で、からだ指導室あんじん主宰の栗本先生。

    順天堂大学体育学部卒業後、障害児の体操教室に携わり、現在は発達障害児・者の身体を整えるコンディショニングを全国に広めています。

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    6『自閉っ子の心身をラクにしよう!』

    栗本啓司=著

    (花風社)

    睡眠・排泄・姿勢・情緒の安定を目指して今日からできること

     

    「脳と身体は直結している 身体を楽にすると脳が楽になる その方法がここにある 神田橋條治(精神科医)」

     

    「睡眠も排泄も"親が見てちゃんとある"状態と"本人がやりきれていると感じている"状態には隔たりがある」

     

    「土台がしっかりしていない身体は疲れやすい」

     

    「自閉症の人はずっと頭が働いている状態が続いている」

     

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    7『人間脳の根っこを育てる』

    栗本啓司=著

    (花風社)

    進化の過程をたどる発達の近道

     

    「なぜ進化と発達の過程をたどる身体育てが必要なのか」

     

    「"やりたいことができる身体"を育てるため"動きの発達段階"を見極める」

     

    「"そもそも立って運動できる身体になっているか"を見極めることが大事」

     

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    8『感覚過敏は治りますか?』
    栗本啓司=著

    (花風社)

     

     

    「感覚過敏は本人たちにとって、決して宝ではないようだ。ただ、宝であるかのように語る専門家がいるのでご注意」

     

    「感覚過敏が治るためには、主体性がとても大事なのですね」

     

    「"自発性・やる気"を身体から育てる方法を、今後は考えていきたいと思っています」

     

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  • 2 発達障害・精神疾患・ケア 29冊

    9『脳みそラクラクセラピー』

    愛甲修子=著

    (花風社)

    発達凸凹の人の資質を見つけ開花させる

     

    「ひとり遊びからの出発」

     

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    10『愛着障害は治りますか? 』

    愛甲修子=著

    (花風社)

    自分らしさの発達を促す

     

    「"思春期のもがき"は自己治療である」

     

    「対象に支配されなくなると治療は完成する」

     

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    11『断薬の決意』

    藤家寛子=著

    (花風社)

     

    「精神科を受診する人の割合が増え、それとともに向精神薬をのむ人の数も増えた。医者は簡単に処方する。そして、大抵、いい薬だと説明する。私は、常々彼らに問いたいことがあった」

    「"あなた、のんだことあるのですか?"と」

    「彼らは投薬治療をすすめても、何も失わない。断薬の苦しみも知らないのだ」

     

    「向精神薬は何をもたらし何を奪うのか?二十年薬をのみつづけた著者が断薬した経緯と"今"を語る」

     

    「小さなお子さんへの投薬治療を考えている親御さんがいたら、安易に決定を下さないでほしいと思う。投薬は最終手段だ。その手前でできることは、今の時代、たくさんある」 

     

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  • 2 発達障害・精神疾患・ケア 29冊

    12『神田橋條治が教える 心身養生のための経絡・ツボ療法』

    神田橋條治=著

    (創元社)

     

    「左で右を、右で左を」

     

    「ストレスによる脳の疲労はあちこちの脳の部分を巻き込んでいるのがほとんどです。"補"が必要な場合は稀であり、多くの脳の疲労は興奮状態です。つまり、"瀉"が必要です。いま臨床の現場で喫緊の要請となっているのは、子どものパニック様の興奮と大暴れです。その本質は"フラッシュバック"です。"フラッシュバック"というのは、強いストレスやトラウマ(心的外傷)を体験したあとに、突然、そのときの記憶がいま現在起こっているかのように鮮明に思い出される現象で、しばしばパニックのような症状を引き起こすことがあります」

     

    「軽度の"発達障害"を持つ人の脳を"気の膜"で探索していると、頭頂部の両脇に縦の紡錘型の邪気を察知することがあります。その際、足を見ると、両第四趾(手の薬指に相当)の小指側の先から空中に経絡が伸びているのがわかります。軽度の"発達障害"の人には知的に優れた方が多く、自分の困難を知性を用いて乗り越えようとされますから、その部分が興奮疲労を起こすのだと思います。ちなみにその部位は大脳の"頭頂連合野"と言い、認識活動を司ると考えられています」

     

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    13『心身養生のコツ』

    神田橋條治=著

    (岩崎学術出版社)

     

    「癖の大部分は無意識界に在って作動しています。それら心身の癖がいまの"いのち"にもたらしている"不自由"、からの脱却を"悟り""脱皮"と名付けています。この名付けのせいで"癖の放棄""心の開放"という誤った理解が広がっています。"悟り・脱皮"とは、不二の心身の"不自由"からの脱却なのです。"癖の脱却"ではないのです。なぜなら、癖を採用したのは"いのち"自然治癒力の工夫・学習の成果です。"捨てればゴミ、活かせば資源"です。放棄ではなく"資質を活かし、癖を再利用して"『折り合いをつけて生きる』が、養生のコツです。個人の過去や背景を探索するのは"あら捜し"ではなく、無意識界に埋蔵している"資質と学習"を推測して発見し再利用するためなのです。後悔・反省ではなく"発掘"です。ですから、養生の目標は一律ではなく、個性的で独自ののびのびとした生き方なのです。一歩でも"発掘と再利用"が成功すると、そこに、"いのちの輝き"の雰囲気が出現します。幼児が何かに成功した際に見せる"ヤッター"の雰囲気です。障害や不幸せを懸命に生きている人にも、しばしばその輝きが出現します。"乗り越えた"です」

     

    「"指タッピング"」

    「"舌トントン"」

    「"脳の直接感覚"」

    「"バリア再建"」

     

    「"幻の尻尾"」

     

    「"脳を冷やす"」

     

    「"8の字"回し」

    「"8の字氾濫"」

    「"8の字センサー"の実技」

    「"進化の体操"」

     

    「"指いい子"」

     

    「"アー・アーの気功"」

    「"母におんぶ"」

     

    「"自分の声を脳に入れる"」

    「布団に潜る」

    「自分史を作る」

     

    「焼酎風呂」

    「グラウンディング」

     

    「"思いを遣る"」

    「"雑念散歩"」

     

    「症状の中に自然治癒力の働きを見つける」

    「"逆をする"」

    「"週末蒸発"」

    「"ちょっと死んでみる"」

     

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    14『技を育む』

    神田橋條治=著

    (中山書店)

    精神医学の知と技

     

    「ある人が技の修練を目指す起点や動因は、生来の資質の発揮つまり自己実現であるのが自然です。多くの優れた技能者がそうです。知の習得や精錬を目指す場合も同じです。資質がその方向へ誘導するのです。"好きこそものの上手なれ"はその意です。成功すると悦びが加わり"天職"などと自覚するようになります」

     

    「いまひとつの動因があります。生来の不器用な機能を克服しようとする努力です。脳を中心とした資質ゆえの遅れや乏しさ、を取り戻そうとする努力です。この試みは"労多くして功少ない"のですが、その少ない功が当人にとっては大層な喜びなので、更なる努力の動因となります。"下手の横好き"はそれです。この場合、生来の優れた資質を援用して不器用部分を穴埋めする工夫が頻用されます。生来資質のミニ発揮が、発達促進に寄与するのです。後にお話しする発達障碍援助のコツがここにあります」

     

    「ほとんどすべての人で、二つの動きは混ざり合っています」

     

    「また、優れた技は評価され、かつ使われることを内外から要請されることで、持ち主の人格を変えてしまいます。"権化"と呼ばれる変化です。それを受け入れると"天職"という自覚が生まれます。居直りであり、自己容認であり、諦めでもあり、名人への道でもあります」

     

    「母は商家の跡取りとして育ってきた知恵から、折々に世のありようを語ってくれました。表と裏があり、表は力があるから無視せず尊重せねばならないこと、ただし、いざとなると表は豹変する。裏は真実であり不変である。究極には裏だけが頼りになる世界であること、言い換えると表は影であり、裏が実であること、父は実を表にしてそれだけで生きているので生き方としては立派だけど、出世もせず金持ちにもなれないこと、などなどでした。のちにボクを精神分析へ誘ったのはそうした幼児期体験でした」

     

    「今にして思えば、ボクは発達障碍児であったようです。その障害は、老齢になったいまでは軽減したものの確かに持続しています、"発達障碍は発達し軽減する、しかし消失はしない"とボクが確信するのは、自身の体験からです」

     

    「ボクの障害は三つに分類できます。明らかに父からの遺伝である不器用と、全体が見えないことと生真面目です。発達障碍の人々と会うことが多くなった経験から推測すると、この三つは一連のものであり、おそらくミラーニューロンの発達の遅れに由来するものでしょうが、ボクの体験史のなかでは三つは独立しています。ボクの人生は、三つの障害への対処を求めての格闘でした」

     

    「対処の一つは、不得意場面を回避すること、次は障害・不器用を猛練習で乗り越えようとする努力、三つ目は、他の優れた能力を使って、不器用をカバーする工夫です。発達障碍の人々へのボクの指導も、自分の体験史からのこの三つの対処からなっています」

     

    「従来行われている公開でのスーパーヴィジョンでは、スーパーヴァイジー役のレポーターは告白を強要され批判されて傷つき、それを引きずる結末が多く見られました。ボクは自分のスーパーヴィジョンでは"レポーターをやってよかった"という後味が残るものにしようと考えました。そのようなスーパーヴィジョンは患者を傷つけない治療面接のモデルの実例提示にもなると考えたのです」

     

    「そこで改めて、"幻の手とは何なんだ"と考えました。おそらくはボクの"気"の働きをこの幻の手のイメージで誘導しているのだろう、他のイメージで同じ誘導ができればいいんじゃないか、と考えました」

     

    「そこで、慣れ親しんでいる離魂融合法を採用しました。ボクの身体を相手の身体と融合させると、凝り固まった部分や歪んだ部分が、ボク自身の体として感触されます。それを修正してのち離魂融合を解くと、相手の歪みが修正されているのです。この方法を完成して、ボクの整体術の世界は"気功"の領域に入って行きました」

     

    「ただし、波動についての関心は続きました。まず、ボクが"気"で相性を診ているのは実は波動を合わせているのではないかと思いました」

     

    「また、すべてを波動というキーワードで括ると、電磁波や邪気に過敏な発達障碍者が音楽や絵画の天才を発揮するのが納得できます。共感のもつ治癒力やお守りやボクの"気による整体"なども波動で説明できる気がします」

     

    「自らどちらかを選択できるようになる、それが、"告白なき内省精神療法"の効果基準です」

     

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    15『治療のための精神分析ノート』

    神田橋條治=著

    (創元社)

     

    「フラクタル」

     

    「食と性」

     

    「食は個体存続のために、性は種存続のために、それぞれ最重要の営みである。ヒトは食物獲得の技術を大幅に発展させることで、食に関して自在性を拡大した。食の対象は他の種であるので、資源は無尽蔵であり、さらなる技術の発展だけで自在性は保証された。欲動行動が本来そうである心身不二も保証された。"没頭して食べる"がそれである。自在性の歓びは拡大し"料理"という文化が花開いて今日に至っている」

     

    「食の世界での料理と同じ位置にあるのがさまざまな性活動のバリエーションであり、束の間ではあるが"没頭"という心身不二をもたらす。しかし、倫理・道徳などの文字文化が表の世界に君臨しているので、性への没頭・工夫はなにか、裏社会のような隠微な雰囲気がまとわりつき、料理の世界のおおらかさはない」

     

    「食の営為が母乳から料理へと段階的に発育すると同様に、同種であるヒトを対象とする性の営為は乳房から異性という個体まるごとへと段階的に発育する」

     

    「意識を獲得し自在性を得たヒト、ましてや文字文化を手にして自在性を完成した人にとっては、原始の天賦パターンの束縛への回帰は不可能であり、辛うじて性行為中の"忘我"の一瞬に実現するだけで、他はすべて as if 性に留まる。進化の流れを事実として遡行することはできない。先に述べた"苦み"の起源である」

     

    「退行とは原始への回帰である」

     

    「日常生活での"懐メロ""居酒屋""コンパ""祭り"など健康増進のための方策はことごとく退行である。いのちが主導しているのである」

     

    「"治療行為"は自然治癒力を直接に賦活することはできない。手出しをすると妨げるだけであり」

     

    「精神分析治療の世界で"悪性の退行"という用語が用いられるのは嘆かわしい現象である。"悪性・良性"の判定の尺度に思いを馳せれば、単に治療者側の"厄介感"が尺度になっていることがわかる」

     

    「ただし、"悪性の退行"と呼ばれている状態の実態は、愛着障害の露呈であり、その水準への"順調な退行"を現在の治療の場が扱いかねているだけである」

     

    「"退行"は自然治癒発動の本質状況であり、自然治癒を"抱え"ている。その退行現象をさらに"抱え"ているのが"三昧"の活動である。夢中・没頭・我を忘れて・時を忘れて、などと表現される活動は、"迷い・右顧左眄・心配・纏まらない"などの表現と対極の雰囲気である。その原型は乳房を吸う乳児である」

     

    「そして"三昧"を日々の中核に置いている人の健やかな人生を次々に思い浮かべることができる。その人々も若い頃は"目的と手段が分かれた"生き方をしており、長年の集中の結果三昧に到達されている」

     

    「そこに到達するに至らず、本来やむなき処置であるありようが慢性化して、いのちを疲弊させているとき、お手軽な"三昧"として、さまざまな工夫が採用される」

     

    「祭りや趣味の多くがそれであるが、ギャンブル依存を含む嗜好行動のほとんどが"目的と手段の不二""心身の不二"という特徴を備えていることに思い到ると、悲しみといたわりの気分が生じる」

     

    「飽きもせずに同じことが繰り返される犯罪行為の行為者の日常生活には、恐らく三昧の欠如といのちの疲弊がある」

     

    「自由連想」

     

    「"みどり児の力"とはそれである」

     

    「【と】」

     

    「理論と物語」

     

    「攻撃性」

     

    「あらゆる技芸の世界にそれは共通し、流派の特有の雰囲気を作る。運動部の"シゴキの伝統"は最悪の例である。似て非なる"鬼手仏心"は外科医だけの理想像ではなく、指導者すべてにとっての心得である」

     

    「夢」

     

    「自己開示」

     

    「自身が事象の一部であることを失念して"ケース"という用語を使うと、一回使うごとに現場人としての感性から遠ざかります」

     

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    16『ともにある〈Ⅱ〉

    神田橋條治=著

    (木星舎)

    神田橋條治 由布院・緩和ケアの集い

     

    「同性愛者で、知能が高い人は、何故か知性化という方法を生きる手だてとして使う。その結果、同性愛者のなかには、非常に論理性の高い人ができてくるんです」

     

    「おそらく知性化というものが、性愛との対極にあるんで、同性愛の問題を内部処理していくのに、知性化という方法はとてもいい方法なんだ。そういう人たちは、知性化していくもんだから、こういうエイズという生々しい問題を人に相談する時も、相談をされる側が、この人いったいどこをどう悩んでいるのか、どこに援助の手をさしのべていいかわからんようになる。煙に巻かれた気分になる」

     

    「当事者が知性化という方法を使って、自分の苦しみへの対処法を自分に投与していることと、助けてもらおうとすることとの間に連続性ができないで、援助者のほうが戸惑う」

     

    「そこで、こちらの戸惑いを、向こう側の内部統一がとれないことがこちらに感染しているんだ、こっちがなんかわからんようになっているのは、じつは向こう側の表面の下のほう、意識下のところに統合されない世界があることが、こっちに感染しているんだと考えてみる考え方が、精神分析が一九五○年代以降に発展させてきた、逆転移を介した現状認識、という技法なんだ」

     

    「どうして抗うつ剤を出すんだろうね。これだから、いかんのよね。どう考えたって憂うつになるのが当たり前のことで抗うつ剤を出したら、ほとんど覚せい剤とか麻薬と同じじゃないの。憂うつなんだから慰めてやるとかしなきゃいけないのに、"抗うつ剤を出しましょう"なんて。それを出したのは精神科医かな?」

     

    「わかってないなあ。何を勉強してきたのかな。抗うつ剤で意欲が高まるだろ。だけどうつになる条件はそこにあるわけだから、意欲が高まれば手を切ったり、酒を飲んだり、そういうことをやるよな、憂うつだから。正常なうつ反応というか感情に対して抗うつ剤が出されていると、アクティングアウト、惹起になるんだよね。森林浴とか海岸に行くとか、そういうのでいい。自転車で走り回りながら泣くとかな」

     

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    17『発達障害をめぐって』

    神田橋條治=著

    (岩崎学術出版社)

    発想の航跡 別巻

     

    「Ⅰ 原因についての想定」

     

    「①食品公害ことに農薬汚染」

    「②発達には動植物を含め皆凸凹があります」

    「③発達に役立つのはトレーニングです」

     

    「最適なトレーニングは個体ごとにそれぞれ異なります。自然環境のような無限の種類がある環境では幼児はちょうど適切なトレーニングを自分で選択して発育してゆきます。人工的な環境にはその多様性がありません。マッチングがズレると却って有害になるのはすべてのトレーニングの本質です。マッチングが良いときは個体は"気持ちが良い"表情になり"熱中"します。"ヤッター"体験が伴います。マッチングが悪いと"気持ちが悪く"避けよう、あるいは"頑張ろう"とします。これが育児や治療や援助の際の最良の見分け方です」

     

    「Ⅳ "進化の体操"」

     

    「①"芋虫だよ"」

    「②"お魚だよ"」

    「③"陸に上がるよ"」

    「④"亀さんだよ"」

    「⑤"牛・馬だぞ"」

    「⑥"お猿さん"」

     

    「健康な人でも、してみると爽やか感があり、続けているとしだいに、体の動きがしなやかになり、ダンサーになった気分がします」

     

    「注意して欲しいのは、何かが"できる・できない"よりも、"気持ちがイイ"が一番信頼できるサインだということです」

     

    「衝動性には」

     

    「相手の立場を読むには」

     

    「廣瀬 ミラー・ニューロンが発達してくれば、殴られただけで逆のことがイメージできる」

    「神田橋 それがこころの理論の問題にいくわけでしょう」

     

    「神田橋 そう、マニュアルでできるけど、マニュアル対応の悪い点は非常に汎化力が低いということ。汎化力が低いから全部教えないといけないし、無限にマニュアルが必要」

     

    「ミラー・ニューロンの育成」

     

    「環境との協応--脳はコンピュータではない」

     

    「ミラーニューロンに問題を抱えた有名人」

     

    「その昔、精神病理学は臨床の方法でした。思索の排除を党是とするDSMと多数決を支えとするEBMによって臨床の場から閉めだされ、好事家の手慰みと位置づけられてしまいました。臨床のデジタル化です」

     

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  • 2 発達障害・精神疾患・ケア 29冊

    18『ケーキの切れない非行少年たち』

    宮口幸治=著

    (新潮社)

     

    「気づかれない子どもたち」

     

    「子どもたちが発しているサイン」

     

    「おそらく刑務所にいる受刑者は、軽度知的障害や境界知能をもった人たちがかなりの割合で占めていると思われます。法務省の矯正統計表によりますと、2017年に新しく刑務所に入った受刑者1万9336人のうち、3879人は知能指数に相当する能力検査値(CAPAS)が69以下でした。つまり、約20%が知的障害者に相当すると考えられます。軽度知的障害相当(CAPAS値:50〜69)であれば、約17%、また約34%程度が境界知能に相当(CAPAS値:70〜79、および80〜89の約半分の合計)していました。つまり、矯正統計表から軽度知的障害相当や境界知能相当を併せると、新規受刑者の半数近くに相当することになるのです。一般的には軽度知的障害と境界知能を併せて15〜16%程度ですので、やはりかなり高いと言っていいでしょう。しかし、この数字には批判がなされていて、平成26年に法務省総合研究所が発行した(法務総合研究所研究部報告52)では、知的障害者は2.4%であったと公表されています。法務省の矯正統計表の約20%という数字とは、8倍近い乖離があります」

     

    「被害者が被害者を生む」

     

    「褒める教育だけでは問題は解決しない」

     

    「"この子は自尊感情が低い"という紋切り型フレーズ」

     

    「教科教育以外はないがしろにされている」

     

    「医療・心理分野からは救えないもの」

     

    「私的にはWISCは"ザル検査"だと思っています。子どもの知能の課題をすくおうとしても、WISCではすくえないからです」

     

    「"知的には問題ない"が新たな障害を生む」

     

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    19『発達障害と少年犯罪』

    田淵俊彦+NNNドキュメント取材班=著

    (新潮社)

     

    「そこで杉山医師は、このあいち小児保健医療総合センターで虐待に関する統計をとった。すると、虐待被害児231人、53%に何らかの発達障害が認められたという。その内訳は、注意欠陥・多動性障害が49人であったのに対し、自閉症スペクトラム障害は54人もいた。もちろん、重複診断があることは注意しなければならないが、この中で知的障害を伴う子どもは7人しかいなかった」

     

    「西田さんは、当時勤務していた県立小児心療センターあすなろ学園で虐待に関する調査を行った。病院の特性上、長期入院治療患者が対象者になるが、虐待によって入院していた子ども36人のうち、注意欠陥・多動性障害や自閉症スペクトラム障害をもっている子どもは53%にも上った」

     

    「虐待の疑いがあるとして、全国の警察が児童相談所に通告した18歳未満の子どもの数は、2017年上半期で3万人を超えた」

     

    「杉山医師の著書『発達障害の薬物療法--ASD・ADHD・複雑性PTSDへの少量処方』によれば、身体的虐待及び性的虐待の経験がある子どもの72%に脳波異常が見られたという。自閉症スペクトラム障害において脳波異常が確認できる割合が30%程度であることから比べると、この値がいかに高いかがわかる」

     

    「自閉症スペクトラム障害をもつ子どもの中で、年齢やIQ、性別などを一致させた者たちを抽出し、"虐待の有無"でどうなるかの比較をしてみたのである。いずれも中学生ほどの年齢で知的には正常であった。すると、"非行や触法行為を行っていない"者に子ども虐待がある割合が28%であったのに比べて、"非行や触法行為を行った"者の場合は56%と倍にも至った。これは、自閉症スペクトラム障害をもつ子どもに虐待という要素が注ぎ込まれると、非行に走る可能性が2倍になるということを示している。更に細かく調べてみると、ネグレクトでは3.7倍、身体的虐待があると6.3倍も非行が多くなることが明らかとなった。また、発達障害をもつ子どもに虐待があると、診断するのが1年遅れるごとに非行の危険性が1.2倍に高まってしまうということも明らかとなった」

     

    「杉山さんは、静岡県のある児童自立支援施設においても調査を行った。児童自立支援施設は、前提として"犯罪などの不良行為をしたり、するおそれがある"子どもが収容されている。結果は、施設に入所していた子どものうちおよそ95%が虐待経験を持ち、37%は性的虐待を受けていた」

     

    「ところが、"いじめ"に過去に遭った子どもが非行や触法行為に走る割合と走らない割合は、共におよそ70%と違いがなかった」

     

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    20『アスペルガー症候群の難題』

    井出草平=著

    (光文社)

     

    「アスペルガー症候群と有名事件」

     

    「DSM-5に掲載されている有病率1%という数字は、イギリスのサウステムズでの調査を根拠としている。この調査では自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群や自閉症を含めたもの)の有病率は1.16%と報告されている」

     

    「ここで算出した犯罪親和性のデータは、犯罪率のデータが存在しないために代わりに用いたもので、犯罪率ではないということは強調しておきたい」

     

    「しかし、アスペルガー症候群で家裁送致をされるものは、藤川の調査では全体のたった2.8%である。崎濱の報告でも6.3%〜14.3%だった。」

     

    「フィンランドの研究では、統合失調症と診断された者が殺人を犯すリスクは、一般人口に比べて男性で8.0倍、女性で6.5倍と報告されている。また、反社会性パーソナリティ障害では、男性で11.7倍、女性で53.8倍、アルコール依存では、男性で10.7倍、女性で37.7倍という値だった」

     

    「社会経済的状況が困難な統合失調症の入院患者の67%に、暴力行為の経験があったという。若年成人でも21%に、入院前に暴行もしくは自殺企図があったと報告されている」

     

    「アスペルガー症候群は1944年にアスペルガーが書いた『小児期の自閉的精神病質』という論文で初めて報告された」

     

    「この際、アスペルガー自身が使った"自閉的精神病質"は使用されず、"アスペルガー症候群"という名称が選ばれたのは、"精神病質(サイコパス)"という言葉から犯罪との関連性が連想されるという理由からだとウィングは述べている」

     

    「これらの調査を総合すると、本書で扱うアスペルガー症候群や、高機能の広汎性発達障害の診断が下る者は、1万人あたり40〜50人、割合にすると0.5%程度に相当すると考えられる」

     

    「この3つの研究を分析した論文では、スウェーデンの犯罪の背景の少なくとも13%に、広汎性発達障害が関係していると結論づけている」

     

    「凶悪少年犯罪は増加していない」

     

    「近年のフランスの研究では、ADHDは一般の子どもに比べて3.58倍留年しやすく、日本の高校にあたるセカンダリ・スクールでの中退が2.41倍多い」

     

    「小児期に診断した後、児童たちは成長し、その中から犯罪に手を染める者も現れる。ADHD群と比較群(ADHDではない者)を比較すると、青年期の犯罪は46%:11%(ADHD:比較群)、成人期における犯罪は21%:1%(同)、成人期の服役は11%:0%(同)という結果だった」

     

    「アメリカでは、ADHDの者が犯罪や非行に走ることで、年間20億〜40億ドルの損失が社会にもたらされているという推計がされている」

     

    「ADHDには反抗挑戦性障害が30〜45%ほど併存するとされており、そのうち素行障害がある者は18〜23%とされている。また、非行にあたる素行障害の55〜85%がADHDだという。つまり、非行少年に精神医学的診断を行うと、かなりの割合でADHDなのである」

     

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    21『発達障害』

    岩波明=著

    (文藝春秋)

     

    「薬物依存に陥りやすい ADHD」

     

    「深川の通り魔事件

     

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  • 2 発達障害・精神疾患・ケア 29冊

    22『愛着障害』

    岡田尊司=著

    (光文社)

    子ども時代を引きずる人々

     

    「親の保護や導きも期待できず、親代わりの存在も身近にいないという場合、愛着障害を克服するための究極の方法は、"自分が自分の親になる"ということである」

     

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    23『死に至る病』

    岡田尊司=著

    (光文社)

    あなたを蝕む愛着障害の脅威

     

    「数学不安--数学の得意、不得意にも愛着が関与」

     

    「数学の問題を解くときは、単純な作業をするのとは違って、メンタルな要素が強まる。解けるかどうかわからない問題を、解けると信じて解き続け、ついに正解にたどり着くためには、解けないかもしれないという"数学不安"に負けない精神的な強さや、自信が必要になるのだ

     

    「人を幸福にする、生物学的な三つの仕組み」

     

    「一つは、お腹いっぱい食べたり、性的な興奮の絶頂で生じるもので、エンドルフィンなどの内因性麻薬(脳内麻薬)が放出されることによって生じる快楽だ。生理的な充足と深く関係し、われわれが生きることに最低限の喜びを与えてくれる」

     

    「二つ目は、報酬系と呼ばれる仕組みで、ドーパミンという神経伝達物質を介して働いている。大脳の線条体の側坐核と呼ばれる部位で、ドーパミンの放出が起きると、人は快楽を味わう。ドーパミンの放出が起きるのは、通常、困難な目的を達成したときだ。サッカーのゴールの瞬間や、麻雀でロンをした瞬間にドーパミンが放出され、"やった!"という快感になる。数学の問題を解けたときとか、マラソンを完走したときも、このタイプの喜びが生じることにより、再び努力して、次の目標を達成しようというモチベーションが生み出される。ところが、この報酬系は、しばしば悪用される。面倒な努力抜きで、ドーパミンの放出だけ引き起こし、短絡的な満足を与えてしまえば、強烈な快感を手軽に得られるのだ。その代表が麻薬である。アルコールのような嗜癖性のある物質も、ギャンブルのようなやみつきになる行為も、ドーパミンの短絡的な放出を引き起こすことで、依存を生じさせる(麻薬の場合には、内因性麻薬の放出を伴う場合もある)。」

     

    「実は、もう一つ、喜びを与えてくれる仕組みが存在する。もうお察しのことと思うが、それが愛着の仕組みである。こちらはオキシトシンの働きに負っている。愛する者の顔を見たり、愛する者とふれあうとき、興奮というよりも安らぎに満ちた喜びが沸き起こるのだ」

     

    「オキシトシン系の不足を依存や嗜癖的行為で補う」

     

    「頑張っていた優等生やエリートが学業や仕事でつまづいたとき、家族の優しい慰めといたわりによって、立ち直ることができるのは、ドーパミン系の報酬を得ることに失敗しても、オキシトシン系が与えてくれる慰めや喜びによって、それを埋め合わせることができるからだ。ところが、愛着の仕組みもうまく機能していないと、どうなるか」

     

    「親から無条件の愛情を与えられずに、不安定な愛着を抱えた人では、オキシトシン系の充足が不十分にしか得られない。そこで、頑張ることによって目標を達成し、周囲からも認められることで自分を支えようとする。そのプロセスがうまくいっているときは、オキシトシン系の不足をドーパミン系の充足で補っているわけだ」

     

    「人はこの世の苦痛に耐え、生きていくために、何らかの喜びを必要とする。その喜びを与えてくれる最終手段が、過食やセックス依存、薬物やギャンブル、ゲームにおぼれることなのである。それは、努力して達成感を味わうと言う本来の喜びではないが、生きるために必要な喜びなのである」

     

    「ただ、短絡的な充足は、耐性を生じ、同じだけの喜びを得るためには、もっと強い刺激を必要とするようになる。それが、ときには健康を害し、破滅の危険に身をさらさせることにもなる。それでも、止められない。なぜなら、いくらやり続けても、本当の満足を与えてはくれないからだ」

     

    「本当の満足を与えれくれる唯一の仕組みは、オキシトシンを介した愛着の仕組みなのかもしれない。それが不足し、それ以外の満足で代償しようとするとき、飢餓感は癒されず、際限のない自己刺激行為に陥ってしまうのかもしれない。嗜癖的な行為だけでなく、目的に向かって頑張るという行動においても、愛着システムがうまく働いていないとき、しばしば度を超した中毒となってしまう」

     

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    24『サイコパス』

    中野信子=著

    (文藝春秋)

     

    「アメリカでは全人口の4%」

     

    「脳内の器質のうち、他者に対する共感性や"痛み"を認識する部分の働きが、一般人とサイコパスとされる人では大きく違うことが明らかになってきました」

     

    「いずれにしろ、おおよそ100人に1人くらいの割合でサイコパスがいると言えます」

     

    「うつ病を上回る国家負担」

     

    「カナダの著名な犯罪心理学者ロバート・ヘアは、刑務所にいる受刑者の平均20%がサイコパスであり、重大犯罪の半数以上が彼らによるものだとしています。また、サイコパスの累犯率(再犯率)はほかの犯罪者の約2倍、暴力的な累犯率に限れば、ほかの犯罪者の3倍にも及ぶと報告しています」

     

    「アメリカの刑務所に収監されているサイコパスは約50万人。一般社会では、重大犯罪には及んでいないものの、まわりの人間たちを巧みに利用して生きているサイコパスが25万人はいると推定する研究者もいます」

     

    「ニューメキシコ大学の神経科学者K・A・キールは、アメリカが国家負担するサイコパス関連の年間費用は2011年で4600億ドル(約49兆円)になると概算しています。アメリカでは"うつ病"によって年間440億ドルの費用負担が生じているとの指摘があり、うつ病を減らすためのさまざまな取り組みがなされていますが、サイコパスによる費用負担はうつ病を上回ることになります」

     

    「サイコパス傾向の高い人をあぶり出す実験のひとつに、"最後通牒ゲーム"という心理実験があります」

     

    「勝ち組サイコパスを見つける方法」

     

    「社会的地位が高い人にはサイコパスが多い」

     

    「革命家・独裁者としての勝ち組サイコパス」

     

    「ADHDを併発しているサイコパス」

    「サイコパスがもてる理由」

     

    「プレゼン能力だけ異常に高い人」

     

    「経歴や肩書きが華麗すぎる人」

     

    「ママカーストのボス、ブラック企業の経営者」

     

    「炎上ブロガー」

     

    「オタサーの姫、サークルクラッシャー」

     

    「サイコパスの自己診断は可能か?」

     

    「サイコパス向きの仕事を探そう」

     

    「また、公安警察や情報機関のエージェント、ジャーナリストなど、人間心理のダークサイドに突っ込まなければならず、時には法律スレスレの手段(あるいは明白に違法な手段)を駆使してでも情報を入手する必要があるような仕事も適任だと思います」

     

    「サイコパスの多い職業トップ10」

    「1位 企業の最高経営責任者」

    「2位 弁護士」

    「3位 マスコミ、報道関係(テレビ/ラジオ)」

    「サイコパスの少ない職業トップ10」

    「1位 介護士」

    「2位 看護師」

    「3位 療法士」

     

    「100人に1人しかない資質は、逆に言えば貴重なものです。これを活かし、他人に危害を加えず働ける場所、うまく生きられる方法が、必ずあるはずです」

     

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    25『ギフテッド 天才の育て方』

    杉山登志郎+岡南+小倉正義=著

    (学研プラス)

     

    「古典的な研究としては、一九二六年、イギリスのエリスによるものがある。エリスは、歴史的に有名なイギリス人を拾い出し、精神科的な診断をあてはめた。すると最も多いのは憂うつ症八.二㌫で、次に神経質六.六㌫、"正気でない"四.三㌫だった。ついで一九四三年オーストリアのユーダによる芸術家と科学者の研究がある。この研究で最も多いのは両者とも"人格の障害"で、芸術家の二七.四㌫、科学者の一五.三㌫に及んだ」

     

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    26『薬物依存症 

    松本俊彦=著

    (筑摩書房)

     

    「報酬系と精神依存」

     

    「ADHDの子どもは、いずれもドーパミン活性が低い体質となってしまっているために、通常の刺激では報酬系が興奮せず、周囲の賞賛や承認が学習に結びつきにくいことを指摘しています("報酬欠乏症候群"などといわれています)。そのため、薬物のような強烈でダイレクトな刺激でないと、報酬系が興奮しません。その結果、そうした刺激を追い求め、薬物依存症に罹患しやすくなると推測されています」

     

    「海外の研究によれば、子どもの頃のADHD症状が続いている一般成人のあいだで最も広く乱用されている物質は、ニコチンとマリファナであるといわれています。この二つの物質は、鎮静と刺激という両方の薬理作用を持っており、鎮静作用によって多動や焦燥を緩和するとともに、中枢刺激作用によって集中力を増すことができます。また、依存症専門病院で治療を受けている成人のADHD患者のあいだで、最も多く選択されている薬物は、何といっても覚せい剤やコカインなどの中枢神経興奮薬です。これらの薬物はADHD治療薬であるメチルフェニデートと同様の薬理作用を持っており、少なくとも一時的には患者の生活機能の改善に役立っています。実際、わが国の薬物依存症の臨床現場でも、無意識のうちにADHD症状に対する自己治療として覚せい剤を使ってきたという患者には、まれならず遭遇します」

     

    「そして、忘れてはならないのが、外傷後ストレス障害(PTSD; posttrumatic stress disorder)です。これもまた薬物依存症と関連が深い精神障害です。特に女性の薬物依存症患者では性暴力被害の体験者が少なくありません。そのような患者の多くは、自身が罹患するPTSD症状に対処するためにアルコールや薬物で対処しているうちに依存症に罹患してしまっています」

     

    「かつて私が薬物依存症臨床の駆け出しの頃、ダルク(薬物依存症当事者が運営する依存症回復施設)の職員から、冗談めかして"精神科の医者って、"白衣を着た売人"みたいですよね〜"といわれることが何度かありました。そのたびに、まだ若い駆け出しの精神科医であった私はひそかに傷つき、正直、怒りさえ感じたものでした。しかし、あれから二○年の歳月を経てこうした調査の結果を見てみると、残念ながら、当時のダルク職員の言葉もあながちまちがいではなかったことに気づかされます」

     

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    27『「うつ」は炎症で起きる』

    エドワード・ブルモア=著

    (草思社)

     

    「セロトニン不足説は茶番にすぎない」

     

    「しかし、うつ病のセロトニン不足説にとって決定的なこの証拠は、何十年も探し求められているのに、いっこうに出てこない」

     

    「わたしがそのことを思い知らされたのは、モーズレイ病院の外来でのある日のことだった。わたしはある患者に"SSRIは、あなたの脳のセロトニン濃度のバランスを取り戻しますよ"と請け負ったのだ。"どうしてそんなことがわかるんです?"と患者は言った。"どうして、わたしの脳のセロトニン濃度がアンバランスだとわかるんですか?"と。その瞬間、わたしがその質問に答えれれないことが、わたしにも相手にもわかった。その答えを見つける手がかりさえなかった」

     

    「重い沈黙の後も、わたしたちはいつも通り礼儀正しく会話を続けた。患者にはSSRIの処方箋を出し、6週間後の予約を入れ、何か変化があれば報告するように告げた」

     

    「自分が完全な詐欺師のように思えた。医療の道に入って初めて、モリエールのあのこっけいな茶番劇の"他人を食い物にする"役になった気がした。17世紀のその間抜けな医者は、患者に血が多すぎるから血を抜く必要があると言うが、本当は、患者にどのくらいの血液があるかも、どのくらいの血液が必要かも知らないのだ

     

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  • 2 発達障害・精神疾患・ケア 29冊

    28『問題解決のための瞑想法』

    天外伺朗=著

    (マキノ出版)

    内なるモンスターを鎮めて人生を変える

    瞑想をマスターできるCD付き

     

    「文明人にとって、死は喪失であり、悲しい別離であり、無意味であり、したがって死を恐れ、否定し、なんとか忘れようとして生きているのです」

     

    「ところが、人間の死亡率は100%であり、誰しもがオギャァと生まれた瞬間から、死に向かって1歩1歩時間を刻んでいく存在なのです」

     

    「したがって、死から目を背ける文明人の生き方はきわめて不自然だといえます。心理学的に表現すると、文明人はみんな"死の恐怖"を抑圧しているので、それが無意識レベルでモンスター化し、結局そのモンスターに支配された人生を送っている、ということになります」

     

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    29『ザ・ワーク』

    バイロン・ケイティ+スティーヴン・ミッチェル=著

    (ダイヤモンド社)

    人生を変える4つの質問

     

    「"ワーク"が誕生したのは、一九八六年二月のある朝。南カリフォルニアの砂漠地帯の小さな町に住む四三歳のバイロン・ケイティ・リードが、ある療養施設の床の上で目覚めたときでした」

     

    「それまでのケイティといえば、アメリカでよくある人生--二度の結婚、三人の子供、そして順調なキャリア--を送りながらも、一○年にわたり、怒り、妄想、絶望がひどくなるばかりでした。しかもそのうちの二年間は、ひどい鬱状態のため、めったに家から出ることさえできない状態だったのです。何週間も寝込み、仕事は寝室からの電話で済ませ、入浴や歯磨きすらままならないほどでした。子供たちはといえば、母親の逆鱗に触れないよう、部屋の前を忍び足で通ったものです。そしてついにケイティは、摂食障害の女性が入る療養施設に入所することになります。唯一、保険が利く施設だったからです。そこでも他の入所者たちから恐れられ、屋根裏部屋に入れられました」

     

    「入所から一週間ばかりたった日の朝、自分はベッドに寝る価値すらないと思い、床に横たわっていたケイティは、目を覚ましたとき、"私"という考えがまったく消え失せているのに気づきました」

     

    「すべての怒りや悩み、"私の世界"、そして全世界が消え、その瞬間、心の奥底から笑いが込み上げてきました」

     

    「"おそらくもっとも重要な発見とは、人間の左脳は、現実とは必ずしも一致しない物語をつくり上げてしまう傾向があるということである"」

     

    「"左脳は、完全に状況把握しているということを、自らとあなたに信じ込ませようとして、物語をつくり上げている。『インタプリター』は、自分について一貫性のあるストーリーを保とうとしているのである。そのため、私たちは自らに嘘をつくことを学ばなければならないのだ"」

     

    「1 自分の考えが現実と闘っていることに気づく」

     

    「2 自分自身の領域にとどまる」

     

    「世界にはたった三種類の領域しかありません。私の領域、あなたの領域、そして神の領域です。私にとって、神という言葉は"現実"を意味します。現実こそが世界を支配しているという意味で、神なのです。私やあなた、みんながコントロールできないもの、それが神の領域です。ストレスの多くは、頭の中で自分自身の領域から離れたときに生じます」

     

    「しばらくこの自問を続けていくと、実はあなたの領域というものもなく、人生はひとりでにうまくいくものだということに気づくかもしれません」

     

    「3 自分の考えを理解する」

     

    「4 自分のストーリーに気づく」

     

    「5 苦しみの背後にある考えをつきとめる」

     

    「考えに意識を向け、手が火の中にあるのを感じると、自然にそこから離れます」

     

    「6 問いかけ(探求)」

     

    「最悪の状況を友とする」

     

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