【秘密1】
人間や人情の「機微」が由来です。
1874年に東京警視庁を創設した川路利良は、著書『警察手眼』の中で「探索心得(捜査の心得)」を「声なきに聞き、形なきに見る」と表現しています。私は「捜査とは身体知を発揮して、声なき人の声を聞き、姿形の見えない証拠を探し求めるように、無声無形であっても感覚を研ぎ澄ませるべきである」と解釈しています。
私は「探索心得」に倣って、自分が設立した会社を「kibi(機微)」と名付けました。辞書によると機微とは「表面だけでは知ることのできない、微妙なおもむきや事情」と書かれています。弊社kibiは、「姿なき姿」 や「声なき声」 など人の心の微細な動きを「機微情報」として、大事にしています。
※参考
「声なきに聞き、形なきに見る」
探索心得『警察手眼』川路利良=著
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原典はおそらく2冊の中国古典です。
1 『礼記(らいき)』<曲礼上>戴聖=編
前漢の時代、儒家の教えを編纂した中国古典五経の一。
「听于无声,视于无形」
「声なきに聞き、形なきに見る」
2 『淮南子(えなんじ)』<卷十七 說林訓>劉安=編
前漢の時代、道家を中心に諸家の思想を取り入れた哲学書。
「视于无形,则得其所见矣;听于无声,则得其所闻矣」
「形のないものを見ていると、見えたものが手に入り。聞こえない声を聞いていると、聞こえたものが手に入る」